しろくま

四六時中

留守番電話と世界

今日は、静岡県のなんとか南中学校という全く関係のない番号から間違い電話がかかってきた。

留守電には女性の声でポルトガル語っぽいメッセージが残っており、全く意味はわからないものの2分ほどメッセージが続いて最後は「オブリガーダ」と締められていた。


もしこれが大事な要件だったら(そうじゃなくても)、彼女が留守電まで残した伝えたい相手に、伝えたいことが伝わらない大惨事を招いてしまうかもしれないと思い、着信のあった中学校に掛け直して経緯と共に番号が間違っている旨を説明すると、電話に出た男性教員(だと思う)から懇切丁寧に謝られ、今日は外国人研修生が来ているのでおそらく彼女が間違って掛けてしまったのだろうと言われた。

普段からそのまま、本当にそのままの生活をしていると、自分の周りのごく一部の人間(主に、自分が幸せになってほしいと思っている人口)しか暮らしていないんじゃないかと思い込んでしまう。

ニュースやテレビやネットを見ても、簡単に言うとバーチャルの世界のように、そこにはない、うわさ話で井戸端会議で又聞きの他人事に思ってしまう。


でも実際はこの小さな日本にも1億3000万人もの人がいて、それぞれがそれぞれの人生をそれぞれの場所で送っていることを少し思い出し、そしてこの世界には、もっともっと数えきれないたくさんの人々がいることを漠然と考えた。


みんなは幸せだろうか。ちゃんと食べてるだろうか。一日一回笑えているか。最近いいことはあっただろうか。


まるで遠くで暮らす名前を知っているくらいの同級生を思うように、結局はその程度のことしか考えられないが、確かにそこに暮らす人たちに、伝えたい誰かに、伝えたい何かが、確かに伝わることを、ほんの少し祈ってみたりした。オブリガーダ。