食べ物グラビアカメラマン
わたしのいまの仕事はカメラマン。食べ物をたくさん撮ってる。
食べ物を撮るときは右から撮る、左から撮る、俯瞰で撮る、煽りで撮る、美味しそうに撮る、きれいに撮る、とにかく撮る。
美味しそうって思いながら撮ると、とってもおいしそうに撮れるので、お肉を撮るのがものすごく上手になった。
美味しくなさそうなものは、多少盛って撮る。
お料理にも顔がある、というのが私の見解で、調理した人が盛ったのが正面だと思う。
実際見るのは正面の方が盛り上がるけど、写真を撮るときは人と同じで、真正面よりもちょっと斜めを向いてたりする方が雰囲気が出る。
まっすぐ撮るとそれは免許証の写真や証明写真みたいに、あんまり良く写らない。
人には気持ち悪がられるかもしれないけど、アラーキーがグラビアを撮るときみたいに「いいよぉ!いいよぉ!」と念じながら撮ると気分が上がるものです。
ゴールデンウィーク
明日からゴールデンウィーク。
街はすでにゴールデンウィークが始まっている人と、今日までは仕事がある人、ゴールデンウィークなんか関係なく働く人、働かない人が全部合わさってごった返していた。
オフィスもお店もソワソワしていて、早く仕事を終わらせたいような、そんなソワソワした空気が流れている。
耳鼻咽喉科には病院が連休に入ってしまう前にと滑り込む患者が19時を回っても殺到し、住宅街の路地では行く道行く道で高校生がたむろしている。
皆、連休を前に、何かが起きるかもしれない、何かをしなければいけない、とソワソワしているみたい。
また、中には楽しまなければいけないっていうプレッシャーもあるのかもしれない。
人ごとみたいに言ってるけど、人がソワソワしているように見えるのはきっと自らがソワソワしているからで、自分も明日からゴールデンウィーク。当事者なのだ。
しかも明日はライブがあるから尚更、浮き足立っている。
楽しまなければ損をするかもしれない。
「楽しまなければ損をする」というのはひとつの強迫観念に近く、こらが長らく自分を縛り付けている。
しかし、ネガティヴな響きと裏腹にこれは多分もう少しポジティブな意味合いだと思い込んでいる。
(思い込みって大事だと思う)
こしょばいようなソワソワに耐えきれずに夜中の1時にも関わらずハーゲンダッツとカップラーメンを食べた。
甘い甘い罪悪感と、ヒリヒリするような塩辛さ。
どう考えたって体に悪いことをして、ああ、連休、始まっちゃった…(しばらくしたら終わってしまう)
そうしみじみと感じてちょっぴり後悔をした。